働き方改革支援事業 好事例の報告および実施結果報告
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当組合では、働き方改革支援事業として、社会保険労務士による巡回指導の実施、労働能率の増進に向けた電子黒板の購入及びデジタルシステムを導入。以下は事業の実施及び進捗状況の報告である。
1.社会保険労務士による巡回指導の報告 2025年7月より、組合員の時間外労働削減に向けた労務環境の整備と生産性向上を目的として、希望する組合員を対象に、社会保険労務士による巡回指導を実施した。巡回指導は1回2時間で、計10社が活用した。 相談内容は、時間外労働の削減、両立支援等の助成金、育児休暇、フレックス制度の導入、親の介護と仕事の両立、法改正への対応、給与(賃金)体系、熱中症対策、社員の健康管理や課題への取り組み、ハラスメント(セクハラ・パワハラ・カスハラ)など多岐にわたり、各社は自社の労働環境改善に向けて、社会保険労務士の助言を受けた。
2.巡回指導の中で得られた好事例に関する報告 社会保険労務士による巡回指導を通じて得られた、好事例を紹介する。
〇業務改善助成金の活用 H社では生産性向上を目的とした設備投資等を実施するにあたり、業務改善助成金の活用を行う。業務改善助成金とは、事業場内最低賃金の引き上げ計画と、生産性向上に資する設備投資計画(例:機械設備の導入、業務改善のためのコンサルティング、人材育成・教育訓練など)を併せて実施する事業者に対し、設備投資等にかかる費用の一部を助成する制度である。これらの取り組みにより、社内の労務環境が整備され、従業員の賃金引き上げのみならず、時間外労働の削減や業務効率の向上にもつながることが期待される。
〇残業時間の是正に関する取り組み C社は水曜日を「ノー残業デー」と定めている。この取り組みにより、従業員のプライベート時間を確保できるだけでなく、定時退社を意識した業務効率の向上にもつながる。さらに、「ノー残業デー」以外の曜日においても、時間外労働の削減を促す効果が期待できる。
〇オンライン会議の活用 I社は事業所数約30ヶ所、従業員数約150名を有しており、全従業員を一箇所に集めて全体会議を実施することは困難である。そのため、社内の全体会議にはオンライン会議を活用している。これにより、従業員の移動時間を削減でき、時間外労働の是正につながっている。
〇社内研修の実施方法 I社は従業員全体を対象とした研修を行う際、オンライン会議の活用に加え、研修内容を動画サイトにアップロードする工夫をしている。業務の都合でリアルタイムの参加が難しい従業員も、隙間時間を活用して研修を受講することが可能となる。この取り組みにより、時間外労働の是正が図られるとともに、従業員の能力向上にも寄与している。
〇業務ローテーションによる業務効率化 D社は育児休業などの制度利用を促すことにより、特定の従業員に業務が集中することを防ぐための対策として担当業務のローテーションを行うことで、業務が分散され、時間外労働の削減につながると助言を受けた。制度の申出がしやすい環境を整え長時間労働の防止と業務の標準化を図りたいという回答があった。
〇役割等級制度の導入 C社は、従来のあいまいな等級制度から、専門性に基づく「役割等級制度」への移行を検討している。人材不足や高齢化への対応として、貢献度や役割に応じた処遇が有効であり、従業員の役割が明確になることで、会社が求める人材の育成にもつながる。そのため、C社は役割定義書の作成を進める意向を示した。
3.電子黒板(デジタルホワイトボード)導入に関する報告 2025年7月より、会議の準備時間や議事録の作成、情報共有の時間短縮を図り、労働の効率化を目指して電子黒板(デジタルホワイトボード)を導入し、組合員および準組合員への貸出を開始した。3社から申し込みがあり、それぞれ会議やセミナーで活用された。 会議で利用した組合員からは、従来使用していたプロジェクターに比べて準備時間が短縮されたとの声があり、また資料の共有が容易になったことで印刷や配布の手間が省けたという意見も寄せられた。 セミナーで利用した組合員からは、電子黒板にパソコン画面を投影できるため準備が効率化されたほか、オンラインでのセミナー実施が容易になり、現地に赴くことなく受講できるようになったことで移動時間の削減にもつながったとの報告があった。 今後も利用状況を踏まえながら、電子黒板の活用を広げ、より快適で効率的な業務環境の整備を目指していく。
4.YRCインフォネット(情報共有デジタルシステム)導入に関する報告 組合と組合員及び準組合員間の連絡手段に際し、FAXおよび電話、並びに組合員が事務局窓口にて受取るなど、アナログ作業にて行っており、組合員は紙ベースの書類を社内回覧後、申込内容を記入集計し、FAXおよび手渡しにて組合事務局に送付するため、業務処理時間が負担増となっている。そのため組合と組合員との情報の受け渡しに際し情報共有・処理にあたる業務時間削減を図り組合員の労働効率向上に繋げるYRCインフォネット(情報共有デジタルシステム)を構築した。 YRCインフォネットは、組合の事業案内を配信する「情報共有管理」、理事会や委員会、各ブロックなどで使用した会議資料を配信する「会議資料管理」、組合事務局との連絡手段の1つとなる「メール管理」の機能を備えたシステムである。また、YRCインフォネットはwebサイト上で運用されているため、組合ホームページからログインすることで、PC・スマートフォン・タブレット端末などから、事業の出欠回答、資料のダウンロードなどをいつでも行うことが可能となり、組合と組合員及び準組合員の情報共有・処理にかかる業務時間削減につながるシステムとなっている。 当組合ではYRCインフォネット導入のため、全組合員および準組合員に向けた「新たな情報共有システム導入と運用説明会」を2025年9月8日(月)、9日(火)、17日(水)、18日(木)の4日間にわたり流通会館で開催した。説明会では、YRCインフォネットの概要や、登録者名簿作成について、本稼働スケジュールについて等の説明が行われ、説明会終了後には個別で質問を受け付けるなどして、YRCインフォネット活用に向けて周知を進めた。 本稼働後は徐々にFAXなどの案内からYRCインフォネットへ移行し、将来的にはほぼすべての案内をシステム上で行うため、組合員及び準組合員の皆さまには運用のご協力をいただきたい。
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